裁量トレード、苦戦しています。月初にマイナスを積み上げたのが、ボディブローのように効いています。
原因は明らかで、オーバートレードです。
今月前半は、米中間選挙前までは様子見ムードの動意が無い状態だったので明らかに休むべき時でした。しかし、一日中チャートに張り付いているのに稼げていないという焦りから、エントリーするべきでない所でも、「ここはリスク選考だ!」と訳のわからんことを息巻いて、無駄にポジションを持ってしまい、当然のごとく返り討ちに遭っていました。
中間選挙後に動意付いてきた時も、取り返すチャンスと焦り、冷静さを失って乱高下に巻き込まれて損失を重ねました。
損が更なる損を招く悪循環。この一連のマイナス連鎖の起因は、オーバートレード、ポジポジ病です。
では、このオーバートレードを避けるために、どうすればいいのか? そのことについて考えてみたいと思います。
目次
オーバートレードの原因
オーバートレードといっても、1ポジションのサイズが大きいケースと、トレード回数が必要以上に多い、いわゆるポジポジ病のケースがあります。
私の場合は、前者はないのですが、後者のポジポジ病の方を時折、発症してしまいます。原因は、自分でもわかっていて、下記の2つになります。
- エントリー機会がなかなか無くて焦る
- 損をして冷静さを失い、取り返そうという気持ちが強くなる
オーバートレードを防ぐための一般論
よくあるオーバートレード対策としては、下記のようなものになります。
- ルールを守る
- 1日の取引回数を決めておく
- 何回かマイナストレードが連続したら、休むと決めておく
しかし、こんなことはわかりきっているのですが、実践できないんですよね。損をすると冷静さを失ってしまうんです。早く損失を取り返さなくては冷静さを失い、平気でこれらの戒めを破ってしまいます。
そしてポジポジ病を悪いことと認識しなくなってしまいます。オーバートレードだろうが何だろうが、勝ちゃいいんだろと考えてしまいます。
何故こんな考えにいたるのか、どういう思考や精神状態にあれば、このポジポジ病を回避できるのか考えてみました。
余裕と自信のなさがオーバートレードを招く
トレードに対する自信があるからオーバートレードに走ると思いがちですが、私の場合は逆です。自信がないから、一度負けると焦ってしまい、余裕をなくしてオーバートレードに走ってしまいます。
負けたときに、「ま、いいか。次、勝って取り返せば。」と思える余裕がないんです。次は勝てる、トータルで勝てるという自信がないんです。
これまで積み上げてきた実績やトラックレコードがないので、そのうち取り戻せる、長期で見れば勝てるという根拠が持てないため、冷静さを失い、かっとなってトレードプランにないドテンやスキャルに近い超短期トレードをやってしまい、損を拡大してしまいます。
対処方としては、実績を積み上げそれに基づく自信を持つしかないのですが、それには時間がかかります。
今できることは、マインドを正しく持つということしかありません。ではこの、正しいマインドとは、どのようなものなのでしょうか。
毎日トレードしない方が、トータルで儲かることを知る
「ラリー・ウィリアムズの短期売買法 第2版」に下記の一文があります。
あなたを勝者たらしめるものは、何回トレードするかではない。毎日トレードするのは愚か者のやることだ。トレーダーを成功に導くのは、どれくらいトレードしないか、つまりどれくらいトレードを厳選できるか、なのである。
この言葉には、非常に勇気づけられます。世界的に著名な短期トレーダーでさえ、毎日トレードしない方がいいと考えています。
また一般論として、個人投資家の最大の強みは、休むことができる、トレードしなくてもいいことと言われています。このことを強く認識するべきです。例え、会社にいかなくて家で一日中チャートを見ていたとしても、トレードすべきでない日は、あります。
この事実を強く認識して、休む大切さを知る必要があります。
毎日、何回もトレードして膨大な利益を上げているトレーダーは確かにいるでしょう。でも、私自身はそのようなタイプではありません。1日に1~2回、状況がいいときだけトレードするスタイルです。この1~2回を、0~2回にするべきです。
実際、後で損益収支グラフを見たときに、仮に無駄にしたトレードがなかったら、どうなるか考えてみましょう。-10pips、-20pipsといった損が消え去り、それはそれは綺麗な損益収支グラフに変貌します。休んだ方が、トータルで儲かるのです。
勝負から降りられる幸せを実感しよう
トレードは、厳しい勝負です。どうにかエッジのある状況を見つけても、負ける可能性は大いにある、でも回数を重ねれば何とかプラスになる可能性があるからリスクをとっていく。そういったゲームです。
エッジがあるから、望まなくてもリスクをとらざるを得ない、それがトレーダーです。
なので、エッジがない、あってもわずか、エッジの根拠が薄いときは、嬉々として見送るべきです。これだけ厳しい勝負に参加しなくてもよい幸せ、勝負から降りられる幸せを実感するべきです。
1トレードに対する悲壮感を持とう
先ほど引用した「ラリー・ウィリアムズの短期売買法 第2版」に、下記の一文もあります。
私は今のトレードは必ず負けトレードになると信じている・・・ しかも大きな負けになると。
さすがにここまで卑屈になると、トレードが全くできなくなってしまいそうです。でも「この世の不確定事項は、概ね自分に不利に働く」ぐらいの厭世観は、あってもいいでしょう。
トレード一つ一つにこれぐらいの悲壮感を持っていれば、方向感が五分五分のギャンブルトレード、リスクリワードが1対1のトレードはしなくなります。
以上、オーバートレード、ポジポジ病の原因と、それに対するマインドの考察でした。
ポジポジ病は裁量トレードの難敵の一つです。油断すると簡単に忍び込み、深い傷を残していきます。油断大敵、トレード一つ一つを大事に、常に真摯に向き合っていきたいものです。