システムトレード

AIとシステムトレードの相性

システムトレードの手法としてのAI

AIをシステムトレードに取り入れようと思ったとき、どうやるのかという方法論を考えることになります。しかし、まずはそもそも効果があるのか、やる意味あるのかを考える必要があります。ここをはっきりさせ納得して自分の中に落とし込むことで、今後の取り組みのモチベーションやパフォーマンスは向上するはずです。

実際のところ、AIを活かす分野としてシステムトレードは妥当なのでしょうか?

AIは自動運転や医療の画像診断などで活躍しているイメージがありますが、トレードで成果を出したということはあまり聞かないと思います。まあ、トレードで成果を出したと言っても当事者の資産が潤うだけで社会への貢献度は少ないので、大々的に取り上げられることはないのでしょう。それにトレードは自分がしていることををむやみやたら公表すると、手の内を明かすことになり自分のエッジがなくなってしまうので、仕方がないとも言えます。

少し前にゴールドマンサックスがAIトレードを取り入れたので、トレーダーを大量解雇したというニュースが注目されました。そのことからすると、AIはトレードに活かせるというのが正解なのでしょう。実際のところ、AIとトレードの相性は非常にいいです。

AIが適している分野の特徴は下記の通りです。

  • 誤りが許容される
  • 外部要因が少ない
  • データが大量にあり、入手しやすい

これらを考えると、AIの適用分野としては、自動運転や医療の画像診断よりトレードの方が導入が容易で成果も出やすいです。

以下、各項目において、トレードがなぜAIと相性がいいのか考察していきます。

誤りは許されます!

誤り」というとのは、ざっくり言えば、誤診断、予測外れの事です。天気予報で言えば、

降水確率0%だった(予測)、しかし実際は雨が降った(結果)

というのは誤りになります。

そして誤りが発生することは、分野によって許容度の違いはありますが、基本的に許されています。こういうと、「いやいや、人の命にかかわる自動運転や医療では、誤りは許されないだろ!!」と思われるかもしれません。でもそれは倫理的な観点であって、システム的な観点だと誤りがあるのは仕方がないことだったりします。限りなく0に近づけるようにしますが、誤りの存在自体は受け入れます。なので、避けたいことではありますが、自動運転や医療の画像診断も誤りは許容されます。人間も誤りはあります。AIの精度が人間より上なら、例え誤りがあろうと、それは成功事例となります。

この点から考えると、トレードの誤りは、自動運転などと比較すると、かなり許容されます。極論を言えば各判定の期待値が1を超えればよいので、ペイオフレシオが1:1の場合は、49%の誤りは許容されます。他の分野と比較すると、ボーダーはかなり緩いのです。

外部要因が少ないってどいういうこと?

外部要因とは、事象が起こる要因でこれまでに無かったものです。AIは判断ソースに未知の領域が入ってくると弱くなるので、外部要因が少なければ少ないほど、効力を発揮します。

最近、ディープラーニングの識者たちによるセミナー「STARTUPS SUMMIT TOKYO」で下記のような意見がありました。

引用

AIは限られた範囲では人間を超えることができているが、少し広い世界にいくだけでズレが生じるという点を認識した上で使っていただきたい」という山田氏はその例として自動運転について語った。

「AIが有効なのはクローズな世界といわれていますが、外界からさまざまな情報が出入りする世界は苦手。そこから考えると自動運転が難しいというのは直感的にわかる。うまくいっているのはハイウェーなど、起こることが予測できる世界だが、それでも事故が起きている。そのようにダイナミックなことを取り入れることが難しいAIだからこそ、人間としては、いかに狭く、スタティックな世界にAIを投入するかを考え、その成果をビジネスに結びつけるが大事」とAIの活用についての視点を提示した。

引用元: http://ascii.jp/elem/000/001/706/1706920/

自動運転は外部要因が多いから難しいよと言っています。

トレードでいうと、予期せぬニュースが外部要因にあたります。しかし、これは頻度がそれほどあるわけではありません。ほとんどの状態は過去にあったような値動きで、いつもとなんら変わりないニュースが要因で価格が上がったり下がったりしているだけです。いつどんな情報が入ってくるかわからない自動運転と比べると、かなりクローズな世界と言えます。

トレードはデータの心配はいらない

基本的にAIはデータが多ければ多いほど精度は上がります。

この点は、トレードは他の分野に比べてかなり有利です。というのもトレードに必要なデータは、市場から数値をとってくるだけなので大量に集められますし精度も高いです。データ欠損は少ないし、数値だけなのでデータの前処理もかなりやりやすいです。

ただニュースやTwitterなどから言語情報を取得してそれを解析してAIを作るとなると話は別になります。データ量はほとんどなく、データの前処理の難易度もあがります。AIトレードを構築しようと思ったとき、まずは従来のシステムトレード同様、価格や出来高の情報だけでやることになると思いますので、その心配はないと思いますが。


以上、AIとシステムトレードの親和性についての考察でした。

まとめ

AIの活用分野として、システムトレードは適している!

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