システムトレード

システムトレーダーは、本番運用中でもやるべきことがたくさんある


「システムトレーダーって、会社辞めて専業になる意味なくない?」

「自動売買なんだから、専業になって家にいても意味ないじゃん?」

最近、トレードとは無縁の知人に、こういうことを言われました。

確かに、トレードを実際にしたことないなら、そう考えても無理ないと思います。裁量トレーダーでもそう思うかもしれません。もしかすると、EAを購入してシステムトレードしている人も思うかもしれません。

でも、この主張は間違いです。

専業になる意味はあります。もっと正確に言うと、兼業だと厳しいぐらい、いろいろとやることはあります。

もし、あなたがこのことを実感できないシステムトレーダーなら、それはまだ本気でシステム運用をしていないと言えるでしょう。

メンテナンスフリーのシステムトレードなんて存在しない

そもそも当たり前のことですが、永久に稼働するシステムはありません。全てのシステムにはライフサイクルがあり、終わりの時は必ず訪れます。そして、ろくにメンテナンスをしない場合は、その終わりの時はすぐに来ます。そのためシステムの会社には、システムの延命やメンテナンスをする運用部隊と、追加機能を作ったり寿命で運用停止となった後に、新たに動かすシステムを作る開発部隊があります。

システムトレードもシステムの一種なので、ライフサイクルがあり寿命はあります。通常のシステムと同様、日々の運用や開発が必要になります。規模の違いこそあれ、一般の会社が専門の人を何人も雇ってやることと同様のことをやるので、兼業の土日や平日夜だけでは追いつかないぐらいやることがたくさんあります。

私の場合は、具体的に下記のようなタスクがあります。

  • 運用
    • 玉帳管理、パフォーマンス分析
    • 運用改善
    • バグ修正
    • モデル更新(ストラテジーの更新)
  • 開発
    • 機能追加
    • 対象の金融商品の追加
    • 新技術の取り入れ

システムトレーダーの日々のタスク -運用-

運用は、定期的に発生するルーチンタスクがほとんどです。

玉帳管理パフォーマンス分析は、トレーダーなら裁量、システム関係なく発生する最重要タスクです。玉帳自体は、証券会社の約定履歴をCSVインポートすれば、OKです。ただシステムトレードの場合は、各オーダーごとに、どのストラテジーによる取引なのかラベリングする必要があります。各ストラテジーごとに枚数が違うなら、通貨と枚数でフィルタリングすればユニークになりますので、それほど難しくはありませんが、手作業なのでめんどくさいです。(もちろん自動化する方法はありますが・・・)

さらにこの玉帳をパフォーマンス分析します。分析項目は人それぞれだと思いますが、代表的なのはオーダー頻度、PF、ペイオフレシオと勝率などでしょうか。これらがバックテストと著しく乖離がないかチェックします。さらには、バックテストでは気づかなかったアイデアやフィルタを検証したりします。これが運用改善です。

以前、私は月曜日に損失が多い気がして、分析してみました。実際、月曜日の損失は大きいことがわかり、また理由もブログにいただいたコメントで納得でき、月曜日はエントリーしないフィルターを追加したことがあります。


バグ修正
は、EAやイザナミのストラテジーではほとんどないと思いますが、自作のシステムトレードではいろいろ発生します。一例として、DBとのコネクションが切れたり、注文しようとしたら例外をはいたりなどがあります。既に稼働中なので、バグの内容次第ではありますが、基本的に緊急対応する必要があります。

モデル更新
とは、機械学習で作成されるモデルを更新することです。最新の価格データを学習した方がモデルの精度は上がるので、定期的に更新する必要があります。EAでも、稼働直後が一番パフォーマンスが良くて、月日とともに劣化していくことが多いです。これと同じです。システムは更新から時間が経てば経つほど、信頼性やパフォーマンスは劣化していくと考えるべきです。

システムトレーダーの日々のタスク -開発-

開発に終わりはありません。

運用中に追加機能が欲しくなったりすることがあります。それは単純なフィルター追加から、構築時には想定しなかった制御だったり、場合によっては相場のルール変更にともなう改修ってこともあります。一番多いのは、金融商品の追加です。稼働中のシステムが順調なので、同じ方法で別通貨、または別の金融商品にも適用したいとかのニーズが発生します。

機能追加がないときは、新技術の取り入れた、次期バージョンの構築とかをします。機械学習は次々と新技術が出てきます。ディープラーニングが流行ったと思ったらすぐに、強化学習がでてきました。その強化学習1つにしても、最初はDQNの手法でしたが、最近はA3Cという新手法が出てきました。新技術が出る度に、システムトレードに取り入れる必要はありませんが、新技術を用いてパフォーマンスが改善するかをできる限り調べるのは、システムトレーダーの務めです。


以上のように、システムトレーダーにはやることがたくさんあります。本気でやるなら専業化や週5フルタイム勤務の脱却を目指すべきです。

かくいう私も、まだ専業としてやっていける道が確立しているわけではないので、そのうち、サラリーマンに戻るかもしれませんが・・・

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